箱根の山へと続く、重要区間の4区。
かつては、箱根駅伝で「最短区間」であったため、繋ぎの区間と言われていましたが、実はこの4区、難所であるということは、知られていません。
総合力が問われる箱根駅伝の中で、繋ぎの区間から、準エース区間と呼ばれる重要ポイントへ。
海風、アップダウン、気象条件も重なり厳しい区間となることでしょう。
今回は4区について、ご紹介いたします!
目次
見どころ
かつて18.5kmという、最短区間でありながらも、細かなアップダウンを繰り返す4区。
そのため、ロードでは目安ともいえる1km3分(そのままのペースで、押し切ることが出来れば、55分30秒)というタイムを切る、という選手が非常に少ない区間でした。
実際に225人の走者が走ってきた中で、55分30秒で走ったのは、21名しかいません。
元々はトラックレースで、世界と戦うことが出来る選手の育成を目的に、区間の変更が行われた経緯がありました。
しかし、箱根駅伝は特殊な区間ゆえに、そもそもトラックレースの選手が育成し辛い事も。
平塚駅から国府津駅、海沿いの道を走る事、アップダウンの多いコースを走る事。
また、箱根駅伝5区が、あまりにも順位を左右するため、4区の距離を伸ばし、5区の距離を短縮しました。
こちらによって、現在のコースとなり、準エース区間と呼ばれる4区へと、位置づけが変化しました。
区間記録
現行区間記録
大塚倭(神奈川大学→NTT西日本)
1:02:21
第82回から92回記録
田村和希(青山学院大学→住友電工)
54分28秒
第60回から81回記録
藤田敦史(駒澤大学→富士通)
1:00:56
2019箱根駅伝各選手記録一覧
不滅の大記録と呼ばれた藤田敦史さんの記録を抜きました!素晴らしい!
順位 | 選手名 | 大学名 | タイム |
---|---|---|---|
1 | 相澤晃 | 東洋大 | 1:00:54(区間新) |
2 | 館澤亨次 | 東海大 | 1:02:37 |
3 | 横井裕仁 | 帝京大 | 1:03:05 |
3 | 清水歓太 | 早稲田大 | 1:03:05 |
5 | 奈良凌介 | 大東文化大 | 1:03:14 |
6 | 有馬圭哉 | 中央学院大 | 1:03:22 |
7 | 三輪軌道 | 明治大 | 1:03:28 |
8 | 武田悠太郎 | 日本大 | 1:03:36 |
9 | 池田勘汰 | 中央大 | 1:03:43 |
10 | 狩野琢巳 | 法政大 | 1:03:59 |
11 | 加藤淳 | 駒澤大 | 1:04:05 |
11 | 石井僚 | 上武大 | 1:04:05 |
13 | 石川佳樹 | 拓殖大 | 1:04:13 |
14 | 茂原大悟 | 国学院大 | 1:04:31 |
15 | 岩見秀哉 | 青山学院大 | 1:04:32 |
15 | 西嶋雄伸 | 城西大 | 1:04:32 |
17 | 相沢悠斗 | 東京国際大 | 1:04:36 |
18 | 廻谷賢 | 日本体育大 | 1:04:46 |
19 | 小林聖 | 順天堂大 | 1:04:57 |
20 | 宮地大輝 | 山梨学院大 | 1:05:03 |
OP | 国川恭朗(麗澤大) | 関東学生連合 | 1:05:30 |
21 | 枝村高輔 | 神奈川大 | 1:05:34 |
22 | 戸澤奨 | 国士舘大 | 1:06:04 |
注目選手
正式に出場校が決まっているわけではないため、この項目では、前回大会に走った選手からご紹介しますね。
吉川洋次(東洋大学)
箱根駅伝
東洋大学
吉川洋次選手
4区トップを涼しい表情で駆け抜けていきました(T∇T)
応援の旗に隠れてほとんど見えなかったけど、一瞬の隙間に撮れた… pic.twitter.com/TepZq5vJ7s— しるび庵 (@Lacto__bacillus) 2018年1月2日
1年生ながら、準エース区間を任されて、区間2位の好記録をたたき出しました。
前回大会では、4区の区間記録を9人が更新。
区間変更がされて3大会目。区間記録の更新に、一番近い選手といえます。
金子元気(城西大学)
第94回箱根駅伝
4区 金子 元気 1:03:02
前を果敢に追う走りで区間4位 pic.twitter.com/SIUtqRUY7X
— 城西大学男子駅伝部 (@josai_ekiden) 2018年1月4日
育成に定評のある城西大学の新エース、金子元気選手。
区間記録を更新する4位を皮切りに、今年の関東インカレでは、ハーフマラソン3位に入賞。
シード権を獲得したためか、非常にチーム力も高まっているようです。
夏を越えて、今大会もエースとしての活躍を期待されますね!
土方英和(國學院大學)
【全日本予選 メンバー紹介】
3年 主将 土方 英和(健康体育学科)
10000mベスト 28'44"28意気込み
自分の力を発揮し、チームで出場権を獲得します! pic.twitter.com/IeOaEh9ecD— 國學院大學 陸上競技部 (@kokudai_ekiden) 2018年6月29日
國學院大學で3年生キャプテンとなった、チーム1の走力を誇るランナーです。
状況次第では、2区にエントリーされる可能性はありますね。
かつて、國學院大學で活躍した、寺田夏生選手のような活躍に期待です!
歴代活躍選手
これまで4区で活躍された選手は、現在でも現役を続けている選手、そして「ある日本記録」を持っていた選手がいます。
今回はそちらをご紹介いたしましょう。
西村知修
【ニューイヤー駅伝2018】
6区:笠懸
西村知修選手(ヤクルト) pic.twitter.com/yDlsyNNE37— なかやまけいすけ (@919_keisuke) 2018年1月1日
18.5kmコースで初めて、54分40秒以下で走ったランナーの1人。
高校時代は1500メートルが主の選手で、全国的にもそれほど有名ではありませんでした。
大学卒業後はヤクルトで現役選手を続け、2018年をもって、選手としてのキャリアに終止符を打ちました。
現在は社業に専念する傍ら、市民ランナーとして活動中とのことです。
藤田敦史
忘れられない場面や選手は多数だけどやはりこの時。
第75回大会4区の藤田敦史。2分以上あった順大との差をひっくり返し首位の座へ。さらに1分突き離し、区間新記録を樹立。惜しくも総合準優勝だったけど、駒澤箱根駅伝優勝の夢を現実に魅せてくれた最高の走り。#箱根駒大名場面2016 pic.twitter.com/FKkIj4ynJD
— いちてつ (@ICHI7024) 2016年12月2日
駒澤大学史上最強ランナーと呼ばれ、エースとしても活躍。
大学卒業後は、マラソン日本記録を樹立し、国内でのマラソン最速記録は、17年間破られることのない、大記録でした(後に設楽悠太選手が更新)。
現在は、駒澤大学のコーチを務めています。
田村和希
関西実業団選手権 男子10000m 優勝 田村和希選手(住友電工) 29分16秒56 pic.twitter.com/2pOyo7Lb2J
— M.Kawaguchi (@rikujolove) 2018年5月11日
久保田和真選手に並ぶ駅伝男として、原晋監督から信頼された青山学院大学のエース。
今年から、住友電工に就職すると、そのスピードをいかんなく発揮しているようです!
まとめ
いかがでしょうか?
4区の区間は非常に難しいがゆえに、スピードランナーから、スタミナ型のランナーまで、特徴的なランナーがずらりと勢ぞろいした、箱根駅伝ならではの区間であったことが、お判りいただけたことと思います。
今回の事を簡単にまとめますと……。
- 意外な難所である!
- 前回大会、区間記録更新者は9名!
- 世界と戦うランナーも出ている!
こちらを覚えていただければと思います。
この裏エース区間、どんなレースとなるのか、今から楽しみですね!